防炎とは

 防炎とは、燃えにくいことを意味しています。
 カーテン、じゅうたんなどは、繊維や樹脂で作られていますが、その繊維や樹脂などの燃えやすい性質を改良して燃えにくくすると、小さな火源(火だね/マッチ・ライター)を接しても炎が当たった部分が焦げるだけで簡単には着火せず、着火しても自己消火性(自ら延焼拡大を停止する)により、容易に燃え広がることはありません。こうした性能を「防炎性能」といいます。





 

燃えるとは<燃焼のしくみ>

   
 カーテン、じゅうたんなどで発生する燃焼とは、繊維や樹脂が熱によって分解されることで発生する可燃性ガスが、空気中の酸素と結びつき、火源により着火することで光と熱を発生する現象をいいます。
 


 

どうやって防炎が出来るのか<防炎化のしくみ>

   
 ではどうやって燃えにくく(防炎化)するのか、説明していきます。
 繊維や樹脂などが持っている燃えやすい性質を改良して燃えにくくしていきます。
 具体的には、次の2つの方法で繊維製品を燃えにくく(防炎加工)します。

①燃えにくい繊維で製品をつくる

 羊毛などの燃えにくい性質を持つ天然繊維、あるいはもともと燃えにくい樹脂や燃えにくくする薬剤(防炎剤)を含んだ樹脂からつくられた合成繊維などで製品を作ります。

②生地、製品に防炎薬剤を付ける

 A 染色する時などに、防炎薬剤を繊維に浸み込ませるか、繊維表面に付着させます。主にカーテンの防炎加工に用いられます。
 B 防炎薬剤を含む樹脂を製品の表面にコーテイング、あるいは裏面にバッキングします。主にじゅうたん等の防炎加工に用いられます。
 使用される防炎剤は種々ありますが、その効果としては、①繊維、樹脂の分解を抑えて燃焼が続きにくくするもの、②防炎剤から燃えないガスを発生させて製品の周りの分解ガスを薄めて燃えにくくするもの、などがあります。
 なお、世界的な環境問題への取り組みが進む中でいろいろな薬品の規制が検討されていますが、防炎剤も例外なく、使用できなくなるものが出てきています。今後注意して推移をみていく必要があります。
 


 

防炎性能の確認<燃焼試験方法>

   
 消防法では、次のような防炎性能試験基準が定められています。
 ①残炎時間(着火してから炎を上げて燃える状態が止むまでの時間)、②残じん時間(着火してから炎を上げずに燃える状態が止むまでの時間)、③炭化長(燃え終わったのちの炭化した燃えかすの長さ)、④炭化面積(燃え終わったのちの炭化した燃えかすの面積)。
 これらの方法で燃えにくさを測定し、その性能を確認し、これらすべての基準に適合したものが防炎品です。
 このような厳しい基準に合格した物を皆様がカーテンに縫製し、じゅうたん等の施工をして頂いて、ご使用になる方々の暮らしに安心をお届けしているわけです。