平成29年度市場規模5,667億円(NIF策定)

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 インテリアファブリックス類の平成29年度の市場規模は、5,667億円――。一般社団法人日本インテリアファブリックス協会(NIF)は、「平成29年度のインテリアファブリックス事業の概況<市場規模の策定>」をまとめ、業界の市場規模を策定した。それによると、全体としての市場規模は前年度をやや上回り、前年度比0.3%増となった。インテリアファブリックス各分野について「市場規模の策定」を基に紹介する。
 平成29年度のインテリアファブリックス業界全体の市場規模は、ここ数年の低調ぶりから回復できないながらも、前年度を0.3%上回った。
 新設住宅着工戸数は前年度2.8%減の約95万戸で、新設住宅着工床面積は同3.7%の減少だった。それに対し、非居住用建築物の着工面積は、同3.9%増で2年連続の増加となり回復傾向がみられる。

窓装飾


 ウィンドートリートメントの市場規模は、カーテン1,108億円(前年度比1.9%減)、ブラインド類295.9億円(同1.1%増)、スクリーン類360.8億円(同1.6%増)、カーテンレール類234.6億円(同1.2%減)で、合計規模は1,999.3億円(同0.7%減)と策定した。
 カーテンは国産品が減少したが、輸入品は前年を4.4%上回った。
  国産品では、シアーカーテンが堅調に推移しており29年度の構成比は全体の52.8%を占めた。
 輸入額は、約287億円(同4.4%増)推定。
 オーダーカーテンにおいては、ブランドメーカーだけではなく製造小売店(SPA)も一定の市場を有し、一部のSPAは既存の専門店・百貨店・家具店で集客しきれなかった層を集めオーダーカーテンの売り上げを伸ばした。当初、SPAでオーダーカーテンを購入する客層と、専門店・百貨店等で購入する客層は一線を画すると考えられていたが、客層は重なりつつあるとみられる。既製カーテンにおいても、今後売上が増えることが見込まれる。ウォッシャブル・遮光・遮熱など機能性商品は好調。
 ブラインド類は前年度を上回る結果となり、ベネシャンブラインドは非居住用建築物で、バーチカルブラインドは住宅用製品で増加した。住宅向けでは、木製ブラインド、オフィス向けでは高遮蔽ブラインドが好調。スクリーン類はローマンシェードとプリーツスクリーンが減少したが、ロールスクリーンが2年連続増加となり、スクリーン全体では前年度を上回る結果となった。ロールスクリーンはオフィス・店舗・ホテル向けの電動製品が好調だった。
 スクリーン類の市場規模は、360.8億円(前年度比1.6%増)と策定。ロールスクリーンは250.8億円(同2.6%増)、プリーツスクリーンは住宅向け製品の減少により57.7億円(同0.3%減)となり、ローマンシェードも同様で52.3億円(同0.9%減)となった。
 カーテンレール類の市場規模は234.6億円と策定。内訳は、カーテンレール207.3億円(同1.2%減)、用品18.5億円(同1.1%減)、その他8.8億円(同1.1%減)。機種別では、機能性レール、装飾性レール、用品・その他についても前年度を下回った。

 


 

床材


 フロアカバリング(床材)分野の市場規模策定に関しては、日本インテリアファブリックス協会会員のウェイトの高いカーペットとプラスチック系床材(ビニル系床材)の市場規模を策定した。
 フロアカバリングの市場規模は、カーペット1,889億円(前年度比2.0%増)、プラスチック系床材621.7億円(同0.6%増)の合計2,510.7億円(同1.7%増)と策定。
 カーペットは、新設住宅着工戸数・床面積とも前年度から減少したにもかかわらず、全体での市場規模は、前年度に比べ増加した。国産品が827億円(同3.7%減)と減少したものの輸入品が1,062億円(同6.9%増)と大きく増加したことによるもの。
 国内のタフテッドカーペットのなかで生産量の最も多いタイルカーペットは、前年度から微減の313億円となった。ロールカーペットは業務用ではやや増え、家庭用のカーペットやフックドラグは減少傾向。カーペットの輸入は、数量・金額ともに大きく伸びた。中でも結びパイルの手織りが増加、織カーペットやフェルト等は大きく伸びたが、輸入タフテッドだけが微減であった。
  プラスチック系床材の内、ビニル系の市場規模は621.7億円(前年度比0.6%)で、5年連続の増加となった。
 しかしながら、「コンポジションタイル」は学校需要の大幅な減少を受けて12.5億円(同13.2%減)と減少。また、「その他コンポジションタイル」も、店舗・事務所ともに需要がわずかに減少したため25.5億円(同0.8%減)となった。単層・複層ビニル床タイル、置敷ビニル床タイルは店舗などで多く採用されており、市場規模は111.3億円(同3.3%増)「ホモジニアスタイル」は89.0億円(同3.7%増)と増加した。
 シートは、「汎用ビニル床シート」が71.1億円(同0.9%増)、「防滑性ビニル床シート」97.2億円(同0.2%増)、「クッションフロア」157.7億円(同2.9%減)「インレイドシート」4.0億円(同33.3%増)「その他塩ビシート」142.5億円(同3.9%増)と策定した。

 


 

壁紙


 壁紙の市場規模は、前年度比1.0%減の1,156.9億円と策定。国内壁紙総出荷数量は、694,554,000㎡で前年度比で横ばいだった。
 塩化ビニル樹脂系壁紙が3年連続で伸び(前年度比1.1%増)、市場におけるシェアは88.9%を占め、徐々に拡大している。繊維系壁紙(同5.1%減)、プラスチック系壁紙(同4.6%減)、無機質系壁紙(同52.0%減)とも減少したが、輸入壁紙の出荷数量は1,440,000㎡と2年連続で増加(同20.3%増)した。
 壁紙総出荷数量は前年度と同等であったのに対し、市場規模が縮小したことは、販売価格の下落・量産壁紙へのシフトが進んでいることを示している。これは、量産壁紙を使うことの多い賃貸住宅の改装・改築が依然高水準にあることや、新築と比べ高付加価値商品が選ばれやすい傾向にある持家等のリフォームの市場が低調だったことも要因としている。
 今後より付加価値の高い商品を販売する工夫が求められる。