第3号技能実習生4,5年の実習実施

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  入管法では特定技能1号・2号を創設
 建設業界をはじめ大きな問題となっている人手不足に対応すべく出入国管理法改正が昨年末の国会で決定した。建設など14業種に限定するとした上で、外国人に通算5年の在留資格を与える「特定技能1号」、より高度な技能を有することを条件とした「特定技能2号」が設けられる。一方で、技能実習制度も見直され、技能評価を条件に第3号技能実習(2年)が認められた。
 外国人の技能実習制度は、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律によって定められている。昨年末、入管法改正案が国会を通過。4月から新しい制度が施行される。また、技能実習制度も一部が見直される。
 新しい技能実習制度では、①監理団体については許可制とし、実習実施者については届出制、技能実習計画は個々に認定制とする。②新たな外国人技能実習機構(認可法人)を創設し、監理団体等に報告を求め、実地に検査する等の業務を実施。③通報・申告窓口を整備。人権侵害行為等に対する罰則等を整備。④業所管省庁、都道府県等に対し、各種業法等に基づく協力要請等を実施。これらの関係行政機関から成る「地域協議会」を設置し、指導監督・連携体制を構築。⑤実習生の送出しを希望する国との間で政府(当局)間取決めを順次作成することを通じ、相手国政府(当局)と協力して不適正な送出し機関の排除を目指す。
 優良な監理団体等に対しては、実習期間を5年間(一旦帰国後、最大2年間の実習)に拡大、受入れ人数枠を倍増、対象職種を拡大するとした。
 技能実習の流れでは、実習3年目(第2号)を終えた時点で一旦帰国(1ヵ月以上)した後、在留資格の変更又は取得となる。対象職種は技能実習2号移行対象職種と同一で、対象者は所定の技能評価試験(技能検定3級相当)の実技試験に合格した者とされている。これにより、さらに2年間の実習(第3号)が認められ、最終的には技能検定2級相当の実技試験の受検が必須となる。
 技能実習の現状を見てみると、平成29年末時点で、技能実習生の数は274,233人で、前年に比べ13%増えている。そのうち、技能実習2号への移行者数は86,583人。受入れ人数の多い国は、①ベトナム、②中国、③フィリピンの順で、この3国で全体の8割以上を占めている。技能実習の職種は全体で77職種あり、技能実習2号への移行が多いのは①食品製造関係、②機械・金属関係、③建設関係となっている。技能実習生の受入れは団体監理型が96.6%、実習実施機関の半数以上が従業者数19人以上の零細企業となっている。
 見直しでは、移行対象職種・作業は80職種144作業となり、建設関係は22職種33作業で、そのうち内装仕上げ施工はプラスチック系床仕上げ、カーペット系床仕上げ、カーテン、ボード仕上げ、鋼製下地の5作業、表装が壁紙の1作業となった。
 新制度で変更となった内容は、「技能等の適正な評価の実施(技能検定、技能実習評価試験等による評価を行うこと)」などであり、 技能実習生が技能実習の各段階において技能検定又は技能評価試験を適切に受検し、次の段階に円滑に移行できるよう受検手続支援を行うこととしている。
 新制度で、技能実習に固有の事項の窓口は「外国人技能実習機構」となった。
 

 

建設キャリアアップシステムの“限定運用”24現場で開始


 今春から本格導入が開始される「建設キャリアアップシステム」の限定運用が1月15日から始まった。
 実際の建設現場においてシステムが円滑に運用されるか検証するため、システムの本運用に先立って現場を限定して3月まで実施するもので、この限定運用は建築や土木の新築や改修工事、戸建住宅のリフォーム工事など、規模の大小や立地など異なる状況を念頭に選定された24ヵ所の現場で順次実施される。
 限定運用では、工種や規模の異なる現場で入場技能者の就業履歴の蓄積を実施する。具体的には、①現場へのカードリーダーの設置・設定、②カードリーダーを通じた建設キャリアアップカードの読み取り、③システムへの就業履歴の蓄積状況の確認を行う。
 また、システムのサポート体制として、限定運用の対象現場の元請事業者ごとにシステム運営主体(一般財団法人建設業振興基金)の担当者を配置し、トラブル発生時の対応を行う予定。
 建設キャリアアップシステムは、技能者一人ひとりの技能や現場の就業履歴等を記録、データ管理することで技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備するためのもの。利用には各人の登録が必要。
 登録に関する詳細は建設業振興基金のホームページ http://www.kensetsu-kikin.or.jp/ccus/profile.htmlに掲載されている。