巨大で多様な中国市場に日本ブランドを訴求

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 ㈱サンゲツ(安田正介社長)の中国現地法人である山月堂(上海)装飾有限公司は、昨年11月1日、中国市場への販売強化を目的に、中国・上海市長寧区に上海ショールームをオープンした(オンラインIBNにて既報)。
 今回の上海出張では、同ショールームを訪問し、中国の市場動向もあわせて話を伺った。
 上海ショールームのスペースは約120平米。そこに汚れ防止壁紙など機能性壁紙をメインに、粘着剤付化粧フィルム「REATEC」、ビニル床材、タイルカーペット、オーダーカーテンなど日本からの輸入品約1,600アイテムを展示する。
 販売の中心となるのはやはり壁紙である。中国では長らくスケルトン渡しが基本であったが、近年は日本と同様、ディベロッパーが内装込みでマンションを販売するケースが増えている。そうした市場の変化を捉え、同ショールームは設計事務所や内装業者などのプロユーザー向けに展開しているとのことだ。
 さて、中国の壁紙市場規模は約14億平米といわれている。日本の約2倍という膨大な規模だが、それでも中国全体の壁装材市場の中では約25%程度を占めるに過ぎず、まだまだ拡大の余地があるという。
 一方、変化の速度が早い中国市場では、欧米のトレンドであるフリース壁紙の普及が一気に進み、すでに一般化している。またより強度が高いファブリックバックの壁紙もホテルや病院などで拡大しているという。
 さらにこの1、2年で急速に拡大している新素材が「壁布」である。これは織物(ファブリック)を壁装材として応用したもの。カーテンと同様のデザイン表現可能で、さらにヨコ使いにすることで継目なく仕上げられることから大人気になっている(日本市場では防火の問題で使用はできない)。
 このような、巨大で多様性のある中国市場に対して、サンゲツは日本製の高い機能性と品質を武器に、着実に開拓を進めている。
 また、グループ会社のグッドリッチ・グローバル社の上海オフィスも併設し、中国メーカーのフリース壁紙やファブリックバックの壁紙も含めて幅広い商品展開を行うなど、総合力を生かした営業活動を行っている。
 山月堂(上海)装飾有限公司の若井智副総経理は、「日系企業関連の物件はもちろんですが、日本ブランドに対する信頼性、機能性へのニーズ、環境意識の高まりといった中国の建築仕様の変化も捉えて、提案していきたいと思っています」とのことであった。

■山月堂(上海)装飾有限公司 上海ショールーム
所在地=上海市長寧区仙霞路137号 盛高国際大厦25階