2019SS/トレンドカラーウォッチング

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 この「トレンドカラーウォッチング」も、2015年SSからスタートして、早いもので、今回で5年目。一般消費者の関心が高く身近なレディスファッションの、直近シーズンにおけるカラートレンドを、(一社)日本流行色協会(JAFCA)に取材して1枚のイラストにまとめ、インテリア業界向けに分かりやすく紹介し、売場づくりや商品提案のヒントにしてもらうことを狙ってお届けしている。元号が平成から令和に変わり、大きな時代の節目を迎えた今回、まず過去4年間のSSシーズンを振り返ってみたい。(イラストの太字の番号は本文のマル数字に対応)



 

①2015年

 ホワイト系の同系色、ワンカラーコーデがトレンド。異なる色のコントラストではなく、異なる質感、色味のホワイトを重ねるのがポイント。「ヌケ感」「ゆるカジ」等がキーワードで、ガウチョパンツが台頭した。
 


 

 

②2016年

 おしゃれ上級者層では、ノームコア(究極の普通)が席巻する一方、1970年代をモチーフに「ゆる・ゆれ」をキーワードに、ゆらゆら揺れるようなビッグシルエットの女子たちが目立った。またコレクションでは、原色×原色、柄×柄など、これまでのNGを敢えてやる、究極の悪趣味とも言える「タッキー」スタイルが提案された。
 

③2017年

 ノームコアの反動から、花柄、ヴィンテージ、夏に映えるビビットなカラーをリゾートっぽく着こなすことが流行し、薄手のワンピースを羽織ったり、コルセットのような幅広のベルトをつけたり、ちょっと違和感を楽しむことがトレンドだった。
 

④2018年

 鮮やかなカラーが引き続き人気。レッド、グリーン、イエローなど原色のロングフレアスカートに、トップスはシンプルにまとめる。
 ザックリいうと、目まぐるしく変化して来たレディスウェアの世界でも、昨今はトレンドの息が長くなって、はっきりしたトレンドの違いが表現しにくくなっているようだ。
 

2019SSは「ラテカラー」がトレンド ~「くすみパステル」と組み合わせ、大人っぽく~

 SS(春夏)はAW(秋冬)と比べて、前年同季との違いを絵に描いてお見せしやすかったのだが、4面のように並べて見ると、なんだかだんだん、イラスト中の説明の文字が増えているように見える。
 気候温暖化が言われている昨今、春夏秋冬が早かったり、遅かったり。また、一つのトレンドが現れると、これまでのように、古くなって新しいものに取って代わられるというのではなく、完全に消えないで細々繋がり、不意に再流行したり、またまた消えたりしている、という感じなのだそうだ。
 ちなみに、もっと長いスパンで見ると、バブル崩壊、リーマンショックという巨大な経済危機に見舞われた平成という時代は、カラーもスタイルもすっかりコンサバ化。先行き不安な時代に流行するという、ネイビーに始まり、ネイビーに終わった観があるとのこと(ネイビーは、信頼や誠実感、清潔感、伝統などを意味する、保守的なカラーとされているそうだ)。
 またその一方では、ギャルやコギャルファッション、原宿カワイイ系といった、一種独特な若者ファッションが社会的な話題になったり、再スタートを象徴するホワイト、幸福感をイメージしやすいピンクも流行したり。
 さらに、多色展開のカラーリングが、コンピュータ(スケルトン仕様のiMac)や自動車等(日産マーチ等)でも見られ、2018年のトレンドに見られた戦隊ヒーローを思わせる色づかいのファッションの流行にもつながっているとのこと。
 このほかに、昨今では、ITやAIのような、急激なテクノロジーの進化や、東京オリンピック・パラリンピックを前にした、スポーツミックスの意味合いもあって、蛍光色も、このところ増加しているという。
 さて、こうした流れを受けた、2019年SSのトレンドキーワードは、「ラテカラー」であるそうだ(イラスト参照)。
 主な女性向けのファッション誌や、ファッション系WEBサイトのコピーを見ると、どうやら服の色と、露出している肌や髪の色の両方を指して「ラテカラー」と言っているようだ、おおむねどれも、甘すぎず、女らしい、大人っぽい雰囲気を狙ったコーデであることは共通しているようだ。
 「ラテカラー」は、カフェオレよりミルキーな淡いベージュや、明るいキャメル、ブラウン系を基調とし、同系色のブラウンやオレンジと言った色と組み合わせてグラデーションとしたり、生成りのような色味がついたホワイトなどでセットアップにしたり、という使い方が基本のキ。
 応用編としては、少しだけくすんだトーンのパステルカラー、例えばラベンダー(トレンドカラーの「パープル」よりも淡く明るい)や、ミントグリーンなど、スモーキーな「くすみパステル」を押し色とするのもオススメであるそうな(この「くすみパステル」も今季の人気カラー。大人っぽいシックなカラーが特徴であるという)。
 具体的なカラーの感じは、ファッション誌なども参考にして頂きたいのだが、この「ラテカラー」をメインとするコーデであれば、特殊なカラーを使っていないので、インテリアでも、いまある商品を組み合わせるだけでも、無理なく空間に取り入れることができそうであるが、どうだろうか?
 またこのほか、人目を引く原色や蛍光色、ヒョウ柄やパイソン柄、アニマル柄も引き続き人気があるようだ(ヒョウ柄と言っても、大阪のおばちゃんが好むような、猛獣柄ではない、念のため)。