東京都「内装工」28,000円 新型コロナ特別措置で据え置き
国土交通省は、公共事業労務費調査に基づく公共工事設計労務単価を決定し公表、3月から適用する。
公表されたのは、公共工事の工事費の積算に用いる公共工事設計労務単価の令和4年3月から適用になる単価であり、令和3年度に実施した公共事業労務費調査に基づいて決定されたもの。
今回、全国主要12職種<①特殊作業員、②普通作業員、③軽作業員、④とび工、⑤鉄筋工、⑥運転手(特殊)、⑦運転手(一般)、⑧型枠工、⑨大工、⑩左官、⑪交通誘導警備員A、⑫交通誘導警備員B>の単純平均で対前年度比3.0%引き上げられた。全国全51職種の単純平均では、前年度比2.5%の引き上げとなった。これを平成24年度の単価と比べると、主要12職種は57.6%の引き上げ、全職種では57.4%の引き上げとなっている。
内装工を見ると、全国平均値で2万5870円、前年度比2.3%の引き上げ。この場合の内装工とは、「内装工事について相当程度の技能を有し、ビニル床タイル、ビニル床シート、カーペット、フローリング、壁紙、石こうボードその他ボード等の内装材料を床、壁もしくは天井に張り付ける作業またはブラインド、カーテンレール等を取り付ける作業について主体的業務を行うもの」と定義されている。
東京都の内装工は、今回は2万8000円で据え置きである。
東京に限らず、山梨県と長野県を含む関東地区全県が今回据え置かれた(中国地区5県も同様)。これは、新型コロナウイルス感染症の影響下であることを踏まえた特別措置が適用されたことによるもので、単価が前年度を下回ったための据え置きとされている。
全国で最も単価が高いのは静岡県で3万2900円(3.5%の引き上げ)となっている。また、引き上げ率が高かったのは福岡県などの九州地区で6%(鹿児島県は5.7%)。単価は福岡県2万4700円、長崎県2万5700円などとなっている。
公共工事設計労務単価は、①基本給相当額、②基準内手当(当該職種の通常の作業条件・作業内容の労働に対する手当)、③臨時の給料(賞与等)、④実物給与(食事の支給等)で構成。法定福利費相当額や義務化分の有給休暇取得に要する費用を反映するほか、時間外労働時間を短縮するために必要な費用を反映している。
なお、同単価に含まれない賃金、手当、経費は次の通り。①時間外、休日および深夜の労働についての割増賃金、②各職種の通常の作業条件又は作業内容を超えた労働に対する手当、③現場管理費(法定福利費の事業主負担額、研修訓練等に要する費用等)および一般管理費の諸経費。
つまり、労務単価には事業主が負担すべき必要経費は含まれておらず、事業主が下請代金に必要経費分を計上しない、または下請代金から必要経費を値引くことは不当行為となる。
東京室内装飾新聞(第667号)より引用