「フリーランス・事業者間取引適正化等法」施行
「フリーランス・事業者間取引適正化等法」施行
一人親方に対する発注にも書面が必要に
2024年11月1日付けにて「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行された。近年、働き方の多様化が進みフリーランスという働き方が普及してきた一方で、取引先との立場上の問題から報酬の不払いやハラスメントなどさまざまなトラブルが発生している。今回施行された法律は、個人であるフリーランスと、組織である発注事業者の交渉力の格差に着目し、取引の適正化などフリーランスが安心して働ける環境を整備するために制定されたものだ。
内装仕上業界では、一人親方がフリーランスに該当するため同法の施行は一人親方との取引において影響を及ぼすことになる。
同法では、主に発注事業者の従業員の有無(ここでの従業員とは過労働20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者)などの要件によって、フリーランスへの発注に必要な義務が設定されている。
まず発注事業者が従業員を使用してない場合(フリーランスに業務委託するフリーランスも含まれる)は、業務内容、報酬額、支払期日、役務提供を受ける日・場所などを明示した書面を提示する必要がある。
従業員を使用している事業者の場合は、加えて60日以内の支払い、募集情報の的確表示、ハラスメント対策に関する体制整備(方針の明確化、相談・苦情に対応するための体制整備など)が求められる。
さらに一定期間(1か月、あるいは6カ月など)以上継続して行う業務委託の場合は、受領拒否、報酬の減額、返品、買い叩き、不当な変更・やり直しなどが禁止される他、育児や介護と業務が両立できるような配慮が必要となる。また6カ月以上の業務委託を中途解除したり更新しない場合は原則として30日前までに予告しなくてはならない。
なお消費者や不特定多数の企業(例えばネット販売先など)への取引は、同法の対象とならない。
同法パンフレット
フリーランス?労働者?チェックリスト
東京室内装飾新聞(第700号)より引用