組合員アンケート「消費税インボイス制度」

組合員アンケート「消費税インボイス制度」

業務量増に不満の声多く

東京室内装飾事業協同組合は今年10月に当組合員を対象に「消費税インボイス制度」に関するアンケート調査をおこない、このほどその結果がまとまった。
寄せられた回答・意見からは、業務量の増加に対する強い不満や、制度自体に疑問を示す声などが多く見られ、困惑する組合員の姿が明らかになった。


118社の組合員から回答があった。回答率は26%(調査時点の組合員総数は454社)。過去実施してきたアンケート調査の中では比較的高い回答率となり、当該テーマへの関心の高さが伺えた。
インボイス制度は昨年10月1日からスタート。インボイスとは、税務署のインボイス発行事業者登録簿に登録された事業者だけが発行できる請求書や領収書などのことで、正式名称は「適格請求書等」。
事業者は、仕入先からインボイスを受け取らなければ、原則として仕入税額控除ができず、(経過措置あり)、インボイス未登録業者との取引では消費税の負担が増えてしまう等の点が変更となった。


7割が「課題多い制度」

制度が始まる前の状況を尋ねた質問では、回答者の99.2%が「課税事業者」とし、98.3%が「インボイス事業者に登録した」と答えた。

インボイス制度の理解度に関する質問では9割近くが理解していると回答。そのうち、「よく理解している」は37.3%だった。(=グラフ1

現在の状況について、消費税支払時における対応を尋ねた質問では、免税事業者に「消費税を支払っている」が51.3%、「支払っていない」は21.0%であった。(=グラフ2

「インボイス制度は利便性が高い制度だと思うか」の質問では、7割以上が「現状では課題や改善点が多くあり、そうは思わない」と回答。(=グラフ3

「制度に関し行政からのサポートなどは十分だったか」の問いには、半数近くが「不十分だった」とした。


組合員アンケート「消費税インボイス制度」


「処理間違えそうに」

「インボイス制度対応のために困ったこと」を聞いた質問では、「業務量の増加」を訴えるものが圧倒的に多かった。主な回答(自由記述)は次の通り。

・作業が煩雑になり業務量が増えた、特に確認作業に時間が取られる。
・課税事業者と免税事業者が混在しており、処理を間違えそうになる。
・ほとんどの客先は電子での請求書発行が不可能なので、仕事量は増え続けている。
・免税事業者の消費税率が年度で変更される等、煩雑で業務量が増えている。
・キャッシュレス取引が普及する中でクレジットカードの利用枠ではインボイスとして適用できないことや紙の領収書を確認しなければならないこと。
・インボイス事業者に登録していない職人への支払い対応。


「不公平さを感じる」

「インボイス制度についてどう考えているか?」についての主な回答(自由記述)は以下の通り。

・できるなら廃止して欲しい。
・環境整備もなく、政府が強引に進めた施策は時期尚早。
・免税事業者にも消費税を支払うように税理士から言われて支払っているが、疑問に思っている。
・登録している人としていない人の不公平さを感じる制度。
・免税事業者の消費税を仕入先が支払うのはおかしい。
・歓迎はしていないが仕方ない。
・一律に消費税を負担した方が良い。
・益税問題の解消には賛成。
・全く意味のない手間のかかる制度。

組合員アンケート「消費税インボイス制度」

東京室内装飾新聞(第700号)より引用