最優秀賞は鈴木諒奈さんの作品「リスと暮らす部屋」に決定

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 ㈱ニチベイと東京家政学院大学は、同大学の授業の一環として開催した「デコブラインドコンペティション2019」の審査結果を発表、さる10月4日、同大学において授賞式を開催した。この「デコブラインドコンペティション」は、同大学の学生たちがニチベイの横型ブラインドを、カッティングシートやマスキングテープなどを使って自由に装飾し、自宅等の窓に設置して、機能性やインテリア性について検証した結果を、パワーポイントにまとめ、皆の前でプレゼンするというもの。装飾の出来栄えがよくても、ブラインドの機能性を損なってはいけないし、スラットを半開にしたり、反転させたり、あるいは朝昼晩と時間帯別の見え方など、様々な状況を想定するだけでなく、写真の撮り方も重視される。
 今回は17名の学生が挑戦したが、先頃開催されたプレゼンテーションでは、年々レベルが上がっており、課題を理解して、真摯に取り組んだことが一目瞭然であった。従って、審査において、なかなか甲乙がつけがたく、審査員各位の激論の結果、優秀賞を3点とし、インテリアビジネスニュース賞のほかに、例年にない特別賞も追加された。
 ちなみに、最優秀賞に選ばれた鈴木諒奈さんの作品「リスと暮らす部屋」は、共用廊下に面し、日差しも入らず、普段は開けることさえない、何もつけられていない窓を使って、お気に入りのベッドカバーの柄からイメージを引き出し、甘過ぎない大人っぽい配色でリスが遊ぶ枝をブラインドにデザイン。さらにはデスクや壁、チェストも同じイメージでトータルコーディネートした、大変完成度の高い作品となっている。
 また、優秀賞のうち、渡綺佳さんの作品は、グレーの壁紙、木製の窓台などモダンなインテリアに合わせた、ショーウインドーに使いたくなるような出窓のデザイン。今中菜々美さんの作品は、洗濯機前に置かれた、おしゃれな洗剤ボトルから飛び出した細かい泡を、ネイビーのスラットに白やシルバーでデザインした力作。舘野沙織さんの作品は、賃貸住宅の制約の中、壁に掛けたかったフレームをブラインドの中に表現したり、赤いギターや本を飾ったり、家具のレイアウトを変えたりして、明るく活動的な部屋になっている。インテリアビジネスニュース賞となった福士七海さんの作品は、ハワイで撮った両親の写真をシルエットにしブラインドに表現、スラットの回転により夕日の海辺や青空を取り入れて、風景を楽しんでいる(作品の出来栄え自体は良かったが、写真の撮り方で残念ながら減点となってしまった。今後ますますの精進を期待して、同賞を贈らせていただいた次第である)。
 特別賞の石井公佳さんの作品は、介護が必要な祖母、それを支える祖父への温かい思いやりが感じられた。窓や日差しの観察、出来上がったデコブラインドが祖母の視線でどう見えるかなどとても細かく観察しており、照明の色を変えるなどの工夫も素晴らしい。作品の背景である家族への思い、細やかな観察、丁寧なプレゼンが今後のお手本となるような内容であったことから、今回は特にベストプレゼン賞が贈られた。

■「デコブラインドベストコンペティション2019」審査結果
最優秀賞(1点)=鈴木諒奈さん「リスと暮らす部屋」
優秀賞(3点)=渡綺佳さん「女性らしさ」/今中菜々美「泡」/舘野沙織さん「フレーム」
インテリアビジネスニュース賞=福士七海さん「感謝」
審査員特別賞/ベストプレゼン賞=石井公佳さん「春の訪れ」