「社内検定認定」に向けて日装連インテリアデコレーター制度を検討

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 日装連ID・教育資格委員会(久保田清担当副理事長/小林克己委員長)は、先般開催された「第53回通常総会」にて「日装連インテリアデコレーター」(旧内装士)資格試験の休止を提案、承認された。厚生労働大臣認定「社内検定認定」を取得するため、休止期間中に日装連インテリアデコレーター制度の抜本的な改革を実行し、1~2年後を目処に再スタートする計画である。

 今から36年前の1983年に、日装連定款事業としてスタートした「内装士制度」(現・日装連インテリアデコレーター制度)は、これまで毎年試験が実施され、2019年5月現在、全国に792名の資格登録者を世に送り出してきた。
 この資格の価値向上、特に住宅リフォーム事業を行う組合員により役立つ資格にすべく、2014年に開始したのが、厚生労働大臣認定「社内検定認定」の取得を目指す取り組みだ。
 そこから厚労省に対して積極的に申請手続きを行ってきたが、そのハードルは高く進展はなかなかみられなかった。
 取り組み開始から2年後の2016年4月からは、厚労省が「社内検定認定」にコンサルティング業務を導入、三菱UFJ社が交渉窓口となった。日装連側も、新たに専門職員として鎌田研修指導員を招聘し体制を強化したが、2017年9月には「社内検定認定制度」が10年ぶりに大幅に改定、国家資格並みの難関な認定制度となったことで、活動が停滞してしまった。
 一方、委員会にて同時に進めてきた「乾式工法技士制度」の国家資格化については、中央職業能力開発協会(JAVADA)協力のもと順調に進んだことから、鎌田委員もこちらの取り組みを優先することとなった(昨年に技能検定「化粧フィルム工事作業」として実現した)。
 その後、「化粧フィルム工事作業」の国家資格化が決定してからは、再び認定作業の取り組みを強化、2018年には実技試験内容の変更(プレゼンボードのテーマをリビングルームから子供部屋に変更)、名称も「内装士」から「日装連インテリアデコレーター(日装連ID)」に変更するなど改革を実施してきたが、今年3月には厚労省と三菱UFJ社の契約が終了し、厚労省との直接交渉に変更になるなど、再び環境が大きく変化した。
 それを受け、改めて厚労省側と綿密なる交渉を行った結果、現状の制度設計では「社内検定認定制度」の取得は困難であることを確認し、抜本的な制度改革を実行することとなった。それにともない、現行の「日装連インテリアデコレーター」資格試験は一旦休止することが決定された。

新制度は1・2級に分類し、実技課題の見直しも検討

 「日装連インテリアデコレーター制度」の新しい内容は、今後新たに「日装連ID・教育資格特別委員会」を立ち上げ、具体的に協議される。
 その中でも特に大きく変更される見通しであるのが実技課題(パースの作成・プレゼンボード作成・見積書・工程表の作成)の在り方だ。
 これまで実技課題は、テーマをもとに事前作成し、試験当日に持参する形式だったが、作成者が当人かどうかの判断ができず、どの位の期間で作成されたかも分からず、また合格率もほぼ100%であり、「社内検定認定」として不適格な状況にあった。この実技課題を抜本的に見直して厚労省へ提案する。
 また国家資格に合わせて等級分け(1級・2級)も実施、さらに合格率も学科、実技試験合わせて1級を20~30%程度、2級を60%程度と国家資格並みのレベルとする。
 もちろん学科試験についても、「化粧フィルム工事作業」と同様に、特別委員会において綿密なる打ち合わせを行ってきめてゆかねばならない。
 これら改革を一定期間(1~2年)で実施、その後、新しい試験制度にて厚労省に認定審査を申請し認定されれば、厚生労働大臣認定資格として「日装連インテリアデコレーター」資格試験がスタートできる。
 なお資格試験の休止中も、試験が休止されるだけで研修などは継続して行われる。年会費も例年通りとなる。
 また現行の「日装連インテリアデコレーター」有資格者については、厚労省は現時点での新制度への簡単な移行は認めていないが、日装連として1日講習などできるだけ受けやすい方法で、1級、2級へ移行できるように厚労省へ提案してゆく。