2021年度市場規模5638億円

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一般社団法人日本インテリア協会(NIF)は冊子「2021年度のインテリア事業の概況〈市場規模の策定〉」をまとめ発行した。それによると、インテリア業界の市場規模は5637.9億円で前年度に比べ5.1%増加した。同冊子を基に市場規模の策定値を紹介する。
 NIFが策定した2021年度のインテリア業界の市場規模は、前年度を上回る回復で、全体で5638億円、前年度比5.1%増となった。
 新設住宅着工戸数は3年ぶりに増加し86.6万戸、前年度比6.6%増。非居住用建築物の着工床面積も、全体では前年度より7.0%増加した。
 インテリア市場3分野(卸売ベース)の規模については、ウィンドートリートメント1852.9億円、フロアカバリング2520.8億円、ウォールカバリング1264.1億円と策定した。

窓装飾
 ウィンドートリートメントの市場規模は、カーテン964.3億円(前年度比3.2%減)、ブラインド類306.1億円(同3.3%増)、スクリーン類365.5億円(同1.4%減)、カーテンレール類217.0億円(同1.8%減)で、合計規模は1852.9億円(同1.7%減)と策定。
 カーテンは国産品489.3億円(同1.0%減)、輸入品475.0億円(同5.4%減)。国産カーテンは生産高で1.4%の減産で、減産は5年連続。輸入品の販売量も減っており、輸入数量はそれ以上に減少している。新型コロナ感染拡大で注目されていた「抗ウイルス対策製品」は、機能だけでの支持は少なかった模様。
 ブラインド類の市場規模は、306.1億円(同3.3%増)と策定。ベネシャンブラインドは234.3億円(同2.9%増)、木製ブラインドは昨年と変わらない61.4億円と策定、アルミ製横型ブラインドは172.9億円(同4.0%増)、バーチカルブラインド71.8億円(同4.7%増)と、それぞれ増加と策定した。
 スクリーン類は365.5億円(同1.4%減)と策定、ロールスクリーンは住宅市場が堅調に推移した一方、非住宅市場の需要回復が遅れ、263.0億円(同0.1%減)で推移した。
 カーテンレールは217.0億円(同1.8%減)と策定。内訳は、カーテンレール191.9億円(同1.7%減)、用品16.8億円(同1.8%減)、その他8.3億円(同3.5%減)。

床材
 フロアカバリング(床材)の市場規模は、NIF会員のウェイトの高いカーペットと新たにNIF内に組織されたプラスチック系床材部会の統計を基に策定した。
 2021年の市場規模は、カーペット1823.5億円(前年度比6.0%増)、プラスチック系床材697.3億円(同11.9%増)の合計2520.8億円(同7.6%増)と策定。
 カーペットは、居住用床面積が前年度比7.3%増、非居住用床面積が同7.0%増であった。  国産全体では、652.4億円(同5.8%減)で5年連続の減少となったが、輸入は1171.1億円(同14.0%増)となり、カーペット市場規模増をけん引した。
  国産の業務用は、タイルカーペットのみが前年度比4.6%増で、他はすべて前年を下回りカーペットの市場規模は前年度比5.8%減となった。
 ホテル・旅館の新設やリニューアルが低調であることからロールカーペットが引き続き減となり、事務所については移転、原状回復による需要、またビジネスホテルの新設などでもタイルカーペットの需要が好評であった。
 自動車用カーペットは、繊維系の内装材がよく使われる普通車、小型四輪、軽自動車とあるが、今年度も全車種での新車生産台数が大幅に減少。 結果としてタフテッドでは前年度比14.8%減、ニードルパンチで14.7%減となった。
 輸入カーペットは2年ぶりに増加した。数量の多い順で中国・タイ・ベトナム・インド・ベルギー・エジプト・トルコ・インドネシア・台湾となっており、中国は8割以上を占めるが前年度比3.5%増だった。ベトナムは同19%増、インドネシアは同23.2%で数量を伸ばした。
 プラスチック系床材のうち、ビニル系床材は697.3億円(前年度比11.9%増)と策定。コンポジションビニル床タイルは事務所、学校など非住宅分野の代表的な床仕上げ材であり、市場規模は、18.9億円(同6.0%減)となった。
 単層ビニル床タイルの市場規模は、0.7億円(同12.5%減)、複層ビニル床タイルは、215.1億円(同30.5%増)。置敷ビニル床タイルの全厚が4mmを超えるタイプの市場規模は46.1億円(同54.7%増)、全厚4mm未満は10.6億円(同1.0%増)。
 シート類は、複層ビニル床シートが181.0億円(同8.0%増)、発泡複層ビニル床シートは37.2億円(同23.9%減)。単層ビニル床シートの市場規模は8.5億円(同10.4%増)、クッションフロアは179.2億円(同3.8%増)。

壁紙
 ウォールカバリング分野は壁紙で市場規模を策定。2021年度は、前年度比11.1%増の1264.1億円となった。
 国内壁紙総出荷数量は、6億5423万㎡で前年度比6.2%増。
 種類別の出荷量では、壁紙市場で92%以上のシェアを占める塩化ビニル樹脂系壁紙が前年度比7.2%増となり、紙系壁紙(前年度比3.1%増)、繊維系壁紙(同39.4増)、無機質系壁紙(同1.3%増)、プラスチック系壁紙は同6.0%の減となった。また、輸入壁紙の出荷数量は164.0万㎡(同12.9%増)となった。  金額ベースでは、紙系壁紙15.4億円(同2.7%増)、繊維系壁紙19.8億円(同43.5%増)、塩化ビニル樹脂系壁紙1124.2億円(同12.1%増)、プラスチック系壁紙81.1億円(同5.1%減)、無機質系壁紙6.6億円(同8.7%増)、その他壁紙17.0億円(同18.1%増)となった。

東京室内装飾新聞(第677号)より引用